レストラン
静岡市清水区 穴子の魚竹寿し
「あの店でしか食べられない鮨」で商いをするという基本姿勢で、全ての鮨だねに江戸前の仕事といわれる仕込み技術を施し、旨味を引き出す鮨を漬けています。
一貫食べるたびに別の食欲が刺激され、「次はなんだろう」と期待をする。
古典的な「江戸前の鮨」を漬けるすし屋を再認識頂ければ幸いです。
静岡県の食材を使った 人気メニュー
カウンターで提供いたします、鮨のみのコース。
おまかせのにぎり 三種
店で使っている静岡食材
お茶、わさび、しようゆ、酒、魚介類、旬の野菜
店舗MAP
この店の「ふじのくに食の都づくり仕事人」
The 仕事人 of the Year
千葉由美
江戸前鮨「穴子の魚竹寿し」二代目。静岡市出身。東京の大学を卒業後、広告会社へ入社。結婚を機にUターンし、父が営む「穴子の魚竹寿し」に店舗手伝いを経て入社。調理師免許を取得して同店二代目に。すし料理専門調理師・調理技能士の認定を受けるとともに、寿司技術を競うコンクールなどにも積極的に参加し、数多くの入賞歴あり。高い技術を持つ女性寿司職人として、国内外の数々のメディアで紹介される。オランダのワールドベストレストラン2019受賞、アメリカの食専門オンラインメディア「EATER」の動画再生回数829万回超え(2024年2月時点)、世界157国で放送される国際番組で30分のドキュメンタリー番組に出演、CNNが選ぶ次世代モデルの日本人女性5人に選出、世界的動画配信サイトやYouTube「鮨・寿司専門チャンネル」での紹介など、その活躍は留まるところを知らない。小学生から大人までを対象に、魚のおろし方、寿司だねの作り方、寿司の握り方などの教室も主催。
仕事人インタビュー
「穴子の魚竹寿し」の二代目、千葉由美さんは江戸前鮨の古典の追求に余念がない。2022年に店舗を改装し、宴会、仕出しをやめて、お客さんの前で握るだけのシンプルなスタイルにした。「江戸前の古い技法をどこまでモノにできるか」と覚悟を決めたからに他ならない。
寿司だねは全国から仕入れるが、静岡の前浜(しずまえ)で獲れるものも多い。十辺舎一九の東海道中膝栗毛には小吉田(現在の国吉田)の茶店の名物「長門鮓(ながとずし)」に桜海老、鯵、鯛、平目、鮎などが使われていたと記され、駿河湾の魚は当時から珍重されていたことが分かる。この長門鮓の復刻を、千葉さんの父親で同店創業者の竹内勝利さんが十数年前に試みているが、千葉さんも教わりながらつくり、いずれ商品化し、メニューに加えるつもりだという。
古典の技法を身につけ、守ることに加え、世の中に広く伝承することも自分の役割の一つだと千葉さんは考えている。静岡市内の呉服店と提携し、着物姿の女性たちに江戸前鮨を振る舞いながらその技と心を話したこと、川根のお茶屋と力を合わせて、鮨一貫ごとに様々な淹れ方の川根茶をペアリングして外国人観光客をもてなしたことも、その一環に過ぎない。
「若い頃は一番嫌いだった家業が、気がつくと一番好きな仕事になっている」と千葉さん。たねによって施す仕込みがすべて異なる古典的な江戸前鮨は大変手間がかかり、決して効率的とは言えない。それでも、「昔の鮨をつくることが当店のやり方であり、強みです。職人として一生を懸けるにふさわしいと思います」。そう前を向く千葉さんに一片の迷いもない。
自身の研修として豊洲の鮪専門店屋に出向き、その道のプロから本場の知識・技術を学ぶ。
写真は鮪の解体包丁を手にした一コマ
着物でのお出かけ先に鮨屋はピッタリ。江戸前鮨と江戸文化のお話を、鮨ととも味わってもらう女性向けイベント。
県産魚類の面白いうんちく話も
※「The 仕事人 of the year 2023の受賞者のご紹介」記事より
「好きで選んだ道ですから、逃げ道はつくれません」。「穴子の魚竹寿し」の二代目、千葉由美さんは穏やかな笑顔で語る。かつて実家の寿司屋を飛び出し、東京でOLをしていたが、結婚を機に戻り、店を手伝っているうち、江戸前にこだわる父と叔父の職人仕事に魅せられた。イヤだったことが好きになった。「ぞっこん」が付くほどに。以来、様々な勉強会に足を運び、全国大会にも出場して、先人の教えを請い、精進を重ねてきた。江戸前鮨の習熟は簡単なことではない。切る、煮る、焼く、酢で〆る、塩をする、タレに漬け込む…。誰の目も届かないところで、和食のあらゆる技術を駆使し、一貫ごとに繊細な仕事を施す。
寿司だねは自ら目利きし、確信できたものに限る。御前崎の「波乗り鰆」もその一つ。一本釣りによる2.5~4kgの無傷の魚体であること。脂のノリが10%以上あること。船上で血抜きすること。新しいブランドにかける漁師さんの心意気を知り、ファンになった。仕入れ先は全国にまたがるが、静岡県内で獲れた魚が半分以上を占める。それほど駿河湾の恵みは深く大きい。一方、脇を固める食材はオール県産である。お茶は川根、醤油は掛川、山葵は静岡安倍奥の有東木。中でも有東木産本山葵への思い入れは格別で、「香りが良く、味わいが濃く、粘り気があって、人差し指でたねにちょんと付けられる」と千葉さん。
板場に立つと、お客さんの心のうちが直に伝わる。「怖さ」や「緊張感」に襲われる。本当にこれでいいのだろうかと「迷い」も生じる。そんな千葉さんも大病を患ったことで「挑む強さ」を身につけた。「一つ一つの瞬間にすべてを出す」という決心が乗り越える力になった。寿司職人の世界でも女性の活躍が目立っている。世界的なアスリートや指揮者とともに「CNNが選ぶ5人の日本女性」に選出された千葉さんだが、あくまで江戸前の古い仕事の追求に余念がない。駿河湾の幸を江戸前の技で握ることが、目の前のお客さんを幸せにする自分の道だ、と。
有東木の山葵田で丸一農園の11代目と。山葵は日本原産の野菜で和食文化の象徴として、世界中から注目を集めている。有東木はその発祥の地とされる。
世界各国から海外番組のオファーを受け、日本文化の発信に努めている。写真は美食の国フランスから訪れた取材陣との記念撮影。写真右上は同店創業者の父。
※「The 仕事人 of the year 2021の受賞者のご紹介」記事より
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