静岡の食文化を知る
山葵漬け
公開日:2024.07.05
郷土料理
和食
山葵漬けは、わさびの刻んだ葉や茎、根を酒粕に漬けた料理。
わさびの発祥は、慶長年間(1596~1615年)に、それ以前から静岡市葵区の有東木地区の佛谷山(ぶっこくさん)に自生していた野生のわさびを、同地区の湧水源付近に植えたこととされる。その後、駿府城で晩年を過ごしていた徳川家康が同地区からわさびを持ち出すことを禁じ、長い年月、有東木地区から外へ出ることはなかった。しかし、18世紀半ばに伊豆地域へ栽培法が伝播し、その後、中伊豆地区で「畳石式」と呼ばれる栽培方式が開発されると、静岡県全域へ、さらには日本各地に普及していった。
静岡県のわさびは、多量の降雨や地質、年間を通して13℃前後の湧水がわさびの栽培に適しているため収量、品質とも日本一を誇る(※)。現在、湧水が湧く山間地に階段状のわさび田を作り、極力肥料を使用せずに栽培されており、「静岡水わさびの伝統栽培」は世界農業遺産と日本農業遺産に認定されている。
山葵漬けは、明治22年に開駅した静岡駅構内で販売したことが始まりといわれ、現在でも定番の静岡土産の一つでわさびのつんとくる辛みと酒粕の風味のため、主に大人に好まれる料理である。
※出典:静岡わさび農業遺産推進協議会
〇食べ方
わさびの茎・根は細くきざみ、一晩、塩漬けにしておく。酒粕に砂糖・酒を入れてよくこね、滑らかになったら、塩漬けにしたわさびを布巾でよく絞り酒粕の中に入れる。よく馴染むようにかき混ぜる。密封容器に移し2~3日おくと辛みが出て食べ頃になる。
温かいご飯の上にのせたり、酒のつまみにしたり日常の食卓にあがる。
出展:農林水産省(うちの郷土料理)
画像提供元:農林水産省(うちの郷土料理)
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