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自分で点てたお茶でスイーツが完成!お茶どころ静岡で体験型かき氷を堪能

公開日:2024.08.27

菓子・スイーツ

特集

"お茶どころ”と聞いて、真っ先にお静岡県を思い浮かべる人も多いでしょう。静岡県は、お茶の生産量・栽培面積ともに1位※1を誇る、日本一のお茶どころ。山間部から平野部まで広くお茶が栽培され※2、県内には20を超えるお茶の産地があります。

 

※1…出典:静岡県公式サイト(茶の栽培面積、荒茶(生産量、産出額)日本一)

※2…出典:FAR EAST TEA COMPANY「日本のお茶の産地」

 

 

◾︎静岡茶の広がりと歴史

そもそも、静岡県のお茶の始まりは、今から800年ほど前。鎌倉時代の僧侶である聖一国師が、お茶の種を修行先の中国から持ち帰り、ふるさとの安倍郡大川村栃沢(現在の静岡市栃沢)に近い「足久保」に植えたのが始まりだと言われています。※1

 

その後、お茶の栽培が本格的に始まったのは、江戸時代に入ってから。徳川家康には静岡茶を足した逸話が残っています。また、茶どころ牧之原の茶畑は、大政奉還後、駿府に隠居した最後の将軍である徳川慶喜の護衛のため同行した旧幕臣たちが開拓したと伝えられています。

 

実際に静岡県は、牧之原のように日照が良い大地が多く、山間部の川から発生する霧がおいしいお茶を育む、自然環境に恵まれたところ。他県では、平野部でのお茶栽培が主流ですが、SNSで話題の絶景を楽しめる"天空の茶畑"のように、標高が高い山間部でもお茶の栽培がされているのも、静岡ならではといえます。

 

静岡県内では、静岡茶を手軽に、美味しく、おしゃれに堪能できるお店が増えてきています。

ここでは、夏のご当地スイーツとして、静岡抹茶を自分で点てて楽しむ、体験型かき氷をピックアップ!

 

※1…出典:お茶どころ静岡市

 

 

◾︎1950年から”おいしい静岡茶”を広め続ける「茶匠 丸玉園」

お茶王国・静岡の銘茶を、気軽に味わい、購入できるのが、東名高速「焼津I.C」から車で約10分の「茶匠 丸玉園 登呂田店(SANOWA)」。

お店の創業は1950年。現在、3代目の増田啓介さんが代表を務め、弟の幸太郎さんや奥様が中心となり、お店を切り盛りしています。

 

お茶の良し悪しを見分ける「茶師」が「茶市場」へ足をはこび、厳選した荒茶※を自社製茶工場で製茶に仕上げ、販売しています。

 

店内には品質にこだわり抜いた、静岡茶がずらり!

 

※荒茶…茶葉を蒸して乾燥させたもの。製茶は、これをさらに加工することで、消費者向けに作られるもの

 

保存料や着色料を使用しない手作りのお茶スイーツも充実。

中でも抹茶スイーツには、静岡県岡部産の高級茶が使用されています。

 

 

◾︎自分で作って楽しむ、体験型かき氷を満喫

お店の一角には、ガラス越しに坪庭を眺められるイートインコーナーがあり、ここでは、静岡茶を使った手作りスイーツやテイクアウトドリンクを楽しむことができます。

 

注目は、夏期限定のかき氷。中でも、「静岡抹茶づくし」は、自分で抹茶を点てて、かき氷のシロップや抹茶ラテにできる、ここだけの体験型メニューです。

 

「抹茶を立てるのって、なんだか難しそう…」と思われるかもしれませんが、初めてでもわかりやすい”抹茶の点て方”の説明書きが添えられており、店員産が快くサポートしてくれます。

 

「静岡抹茶づくし」を注文すると、鮮やかなグリーンの抹茶・水の入った器・甘露・茶せんが目の前に。これらを使って、抹茶を点てていきます。

 

はじめは抹茶を溶かすようにゆっくりと。次に、茶せんをたて「M」の文字を描くように細かく動かします。

 

茶せんを動かすたび、小気味よい”シャカシャカ”音が聞こえてきて楽しい!ふわっと広がるお茶の香りにも癒されます。

 

できたての抹茶を牛乳にかけたら、抹茶ラテの完成。ゆっくり注げば、抹茶のグリーンと牛乳の白が二層に分かれ、とっても写真映えします。

 

飲んでみると、まろやかな抹茶のあじを感じられます。何より、自分で点てた抹茶のふわっふわの泡の口当たりに感動します!

 

そしていよいよかき氷が運ばれてきました。ふわふわ氷が器から溢れんばかりに、こんもりと守られています。高さ約20cmもあるかき氷には、白玉とこし餡もトッピングされていて、ボリューム満点!

 

残りの抹茶に甘露を入れて混ぜたら、かき氷用の抹茶シロップのできあがり。ふわふわ氷の頂上から、シロップをまわしがけます。

 

贅沢な”点てたての抹茶”が使用されたかき氷は、色も香りも、抹茶そのもの。贅沢なビジュアルに胸が躍ります。

 

すっ……と優しい口溶けの後に、抹茶の香ばしさと、ほんのりとした甘みが口の中に広がります。自分の好きなタイミングでシロップを追加できるので、最後まで抹茶缶を損なうことなく楽しめます。

 

おいしさに、自分で作った”達成感”も加わるため、味は格別です。

 

まだまだ暑い日が続いています。他にも静岡県内には、「お茶」を使った夏の涼菓が揃っています。飲むだけではないお茶の楽しみ方、開拓してみませんか。

 

 

#焼津市