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【The 仕事人 of the year 2021の受賞者のご紹介】貝塚 好行さん

10年近い修業を経て、ふるさとに戻った貝塚好行さんは、家業の日本料理店「かいづか仲町店」を受け継いだ。以来、御前崎特産のクエ一筋といっても過言ではない。当時すでに天然クエの漁獲量は「幻の魚」と言われるほど落ち込み、養殖の試みが始まっていた。そして貝塚さんの帰省と歩調を合わせるかのように、全国初、全国唯一の、卵からの完全養殖に成功する。ご当地ブランドの先駆け、「御前崎クエ」の誕生である。

このクエを提供する店舗組織「御前崎クエ料理組合」の立ち上げに参加し、以来十数年にわたりクエ料理の普及に邁進してきた貝塚さん。身はもちろん、肝、皮、鱗など、クエのすべてを味わい尽くす調理法を探求し、刺身、鍋、しゃぶしゃぶ、唐揚げ、煮物などバリエーションを広げることにも余念がない。独自に培ったノウハウは県内外の業者さんらに惜しみなく伝え、組合の理事として様々な問題解決に腐心してきた。近隣老人ホームのクリスマスパーティーために手軽にできるクエ料理のレシピを紹介する、地域の小学校や高校で「味覚の授業」を開く、市内の山芋料理の会に調理場を提供するなど、地元食文化の支援活動は枚挙にいとまがない。曳き縄で仕留め、船上で活締めする、脂肪量10%以上の新ブランド「波乗り鰆」が生まれた際も、サポーター店舗として「しずおか食セレクション」認定に尽力した。

子育てや消防団活動を始めとする地域社会との関りも疎かにせず、2015年「ふじのくに食の都づくり仕事人」、2021年「同of the year」の表彰は「家族の協力あってのこと」と笑顔で語る。そして「クエと向き合うことが心の拠り所となり、自然といろいろな取り組みにつながっているように思います」と前を見据える。貝塚さんにとってクエはかけがえのない食材であるとともに、家族愛、仲間愛、地元愛を一つに結び付ける「人生の活力源」に他ならない。

 

 静岡食材を使った人気メニュー

 御前崎クエの刺身・唐揚げ・煮付け・姿煮・姿造り・鍋・しゃぶしゃぶ及び各種コース、天然クエの鍋・刺身・会席コース、夢咲牛のタタキ、遠州黒豚のとんかつ、一黒シャモのたたき など

 

 この店で使っている静岡食材

クエ・金目鯛・鰆・鰹・ふぐ・鰺・カサゴ・伊勢海老・高足蟹・生しらすなど地魚各種(御前崎市南駿河湾漁協)、桜海老(静岡市由比)、すっぽん(浜名湖・掛川市大東)、遠州夢咲牛(御前崎市)、遠州黒豚(牧之原市)、遠州一黒シャモ(御前崎市)、卵(菊川市) など

仕事人

貝塚 好行

かいづか仲町店

御前崎市出身。調理師学校卒業後、浜松市内の料亭及びホテル内の日本料理店で修業を積み、2006年「かいづか仲町店」の店主兼料理長に就任。さらに2007年には地元飲食店や行政と連携して「御前崎クエ料理組合」を立ち上げ、理事として本格稼働に尽力。御前崎特産のクエの美味しさを普及すべく、調理法を日々探求している。2011年にバリアフリー対応の新館(100席)が完成。2015年「ふじのくに食の都づくり仕事人」表彰。静岡県ふぐ処理師免許、日本料理専門調理師。

> 仕事人の紹介ページはこちら

御前崎の漁師ブランド「波乗り鰆」の造り。旬は11月~2月。身割れしやすく鮮度を保つのが難しい本鰆にもかかわらず、刺身で美味しく食べられるのは漁港直送の地の利の賜。

「御前崎クエ」は市内の温水場で育てられている。貝塚さん(画像左)はあえて小さめの1~2kgのクエを使う。脂が乗り過ぎないことでクエ本来の上品な甘みが引き立つという。

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