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【The 仕事人 of the year 2021の受賞者のご紹介】寺田 恭雅さん
一品料理の「金目鯛姿煮」は、“THE伊豆”とも言える名物だが、その脇を彩るのは、宿の女将が自家栽培する旬野菜。「無農薬だから形が悪かったり虫に食われたりして、見栄え良く仕立てるのは手間がかかりますが、やっぱり実がしっかりして味も濃いです」と寺田恭雅さんは破顔する。料理人として大切にするのは「食材を生かす」こと。その根底には、実家が農家で「生産者の気持ちが多少はわかる分、大事に使いたい」という思いがある。現在、ホテル伊東ガーデンの調理課長を務める傍ら、県調理士連合会「瑞松会」の一員として、小学生への食育や地元食材のメニュー開発、専門調理師の講習会の講師など、静岡の和食の啓蒙活動にも取り組む寺田さん。さらに、同職場の板長で「現代の名工」の称号を持つ檜山和正さんの背中を追い、ふぐ処理師など様々な資格の取得にも励む。「資格を取るためには、それに興味を持って学ばなければならないから、自らも向上するし、料理も広がりが出てくると思うんです」。自身も板長から学んだように、それを後進に伝えることも己の務めとし、仕事人は練磨を続ける。
静岡食材を使った人気メニュー
金目鯛姿煮 8,000円~(時価)
金目鯛切身煮 1,400円
金目鯛の釜飯 1,200円
(※すべて一品料理の価格)
この店で使っている静岡食材
金目鯛、桜えび、伊勢海老、ヒジキ、大根・カブ・ニンジンなど季節の地野菜

仕事人
寺田 恭雅
ホテル伊東ガーデン
愛知県出身。実家が渥美半島の農家で、次男のため家業を継ぐ必要はなかったが、当時打ち込んでいた野球の強い地元農業高校へ進学。卒業後は興味のあった料理の道を選び、知人の紹介で伊東のホテルに就職。和食を中心に修業を積み、2008年よりホテル伊東ガーデンへ。「現代の名工」檜山和正板長のもと腕を磨く傍ら、県専門調理士連合会「瑞松会」の広報室主査として和食の普及にも取り組む。全国日本調理技能士会連合会師範、県日本調理技能士会理事等を務めるほか、国家検定単一等級調理技能士、厚生労働大臣認定日本料理専門調理師、県ふぐ処理師の資格も有す。
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「金目鯛の釜飯」とともに人気の「桜えびの釜飯」(一品料理1,500円)。静岡名物・桜えびの香りと旨みがギュッと詰まった逸品だ。

食事処は、眺望の良い開放的なダイニングのほか、座敷とテーブル席の個室も完備。利用シーンに応じて快適な食事時間が楽しめる。

寺田さんも所属する瑞松会では、毎年、県立あしたか職業訓練校の特別授業で卵焼き作りを指導。活動を通して「子どもたちに少しでも料理に興味を持ってもらいたい」と寺田さん。