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【令和2年度 仕事人受賞者のご紹介】今津 亮さん
農園レストランを開くにあたって、現在の地を選んだ今津さんは、その理由を「静岡県の遠州地区は、農作物の南限北限の境界に近く、さらに降雪量が少ない割に温度が下がる日もあり、多くの種類の作物の生育に適しているから。それに加えて晴天率が高く日照コントロールもしやすい」と語る。「農+(ノーティス)」は、その今津さんが若い頃から培ってきた農業技術の知識を活かし、自身が納得できる農産物を育てて自ら調理する店だ。料理に使われる年間約60品目もの野菜は、ほとんどが2カ所の自営農場で、土の配合からこだわって低農薬で育てたもの。それをイタリアンベースのコース料理に仕立てて提供している。「野菜の味が活きる料理、どんな野菜を食べているのかよく解る」をコンセプトに掲げながらも、各料理にはちょっとした遊び心の仕掛けがあるという。仕掛けの内容は食べてのお楽しみだが、旬の時期に獲れた最高の野菜と、静岡ジビエなどの地元優良素材が融合する味わいは、口コミを中心に評判が評判を呼び、地元はもとより全国にも多くのファンを持つ。静岡食材を使った人気メニュー自家製野菜を使ったコース料理2500円〜本州鹿のロースト 石川早生と鹿の骨と赤ワインのソース駿河軍鶏と春キャベツのヴァポーレコースに入る日替わりパスタ 黒豚自家製ベーコンとジェノヴェーゼなどこの店で使っている静岡食材静岡ジビエ(藤枝市)、駿河軍鶏(掛川市)、みねの牛(浜松市)、森島黒豚農場の黒豚(浜松市)、里芋、芽キャベツ、プチヴェール、かぶ、ラディッシュ、春菊、ホウレンソウ、大根(浜松市)他

仕事人
今津亮
農+ NOTICE
埼玉県出身、高校生の頃、農業に興味を持つ。その後、農業技術の研究開発の分野へ進み、アジア・ユーラシア大陸での実地試験等、国内外で活動。農作物だけでなく食文化やその背景、そして”食”の魅力を学ぶためにイタリアン、日本食の店で腕を磨く。2017年に農園レストラン「農+」をオープン。浜松市内の日本料理の職人と共同で、出汁と農作物の話を交えた料理教室を地域の小学校で開くなど、若い世代への啓蒙活動にも尽力。
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すべてのコースに付く前菜 「駿河軍鶏と春キャベツのヴァポーレ」。自家製キャベツの柔らかいベールの下にシャモが隠れている。これも仕掛けの一つ。昼のコースは2500円~

遠州の木材を使った明るく開放的な店の横には自家農園が広がる。農園は作物と食、作る人と食べる人を繋ぐ”縁”でもある。