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令和4年度ふじのくに食の都づくり仕事人受賞者のご紹介「石橋 保二さん」
石橋保二さんがつくる料理は、まるで畑からそのまま届けられたような世界観を持ちつつも、非常にアーティスティックだ。野菜はできる限り地元・吉田町のものか、静岡県内の無農薬・有機栽培のものを取り寄せている。また、お肉や魚も静岡県産のものを使用し、可能な限り自分の足で生産者の元を訪ね歩く。
「地元食材を使用するのももちろんですが、“おいしくて、からだにいい”という意味を持つ「Cuisine Santé(キュイジーヌ サンテ)」の考え方を大事にしています。添加物を使わず、有機野菜を使用する。卵も平飼いのものを使用しています」。自然に従って料理をする。人との付き合いを大事にし、それを盛り付けにも表現する。石橋さんが大切にしている部分だ。
野菜で主に使用しているのは、吉田町にある「桑高農園」のものだ。「カジュアルフレンチレストラン Grande Dame」に入る前から、10年以上のお付き合いがある農園で、野菜は石橋さん自ら畑まで収穫に行っている。「自分で畑に採りに行くことで、使いたい野菜を新鮮な状態で入手できる。また、間引きのにんじんや、葉物野菜を収穫した後に生えてくる脇芽は、通常では販売されず廃棄されるが、見た目もかわいく、付け合わせに最適」。盛り付けも畑でイメージしており、お皿がまるで野菜畑のようになるのも納得だ。また、「桑高農園」以外の個人農園との付き合いも広げている。たとえば、循環型農法で野菜をつくっている磐田市の個人農家との取引も行っている。
敢えて、いろいろな生産者と付き合うのも、石橋さんの中には明確なビジョンがあるからだ。石橋さんが持つ年期が入った手帳には、長年書き記されてきたさまざまな料理メモ、発見、生産者との出会いなどが書き記されている。その中の一つに、「ふじのくに食の都づくり仕事人の取組ビジョン」というものがある。食材を積極的に使用することで食料自給率を上げ、付加価値を創り出し、生産者への経済的支援をする。料理教室やイベントを開催し、地元食材のPRをする。子どもの味覚を育て、食の重要性を伝える活動をする。レストランのあるべき姿と料理人としての人となり、技術、知識を伝える。地方創生と他業者とのコラボ……。石橋さんが描くビジョンが、今後どのような形で実現するか、非常に楽しみだ。
静岡食材を使った人気メニュー
ランチタイムのセットメニュー 1,300円〜
パスタランチ 1,300円
ランチタイムのコース料理 2,750円・3,850円 ※要予約
ディナータイムのコース料理 4,400円・6,600円 ※要予約
この店で使っている静岡食材
お米・レタス・プチヴェール・黒キャベツ・ブラックローズ・トレヴィス・カステルフランコ・辛子菜・ルッコラ・新玉ねぎ・菜の花・スイスチャード・スナックエンドウなど(吉田町・桑高農園)、にんじん(磐田市)、スズキ・イサキ・タチウオ・マダイ・コチ・カサゴ(御前崎)、一黒シャモ(御前崎・カワモリ工房)、静岡牛 葵(島田市・杉村牧場)、朝霧ヨーグル豚(富士宮市)、ふじのくに いきいきどり(富士市)、王さまのたまご(大井川)、浜名湖伸東ヒラメ(湖西市)
仕事人
石橋 保二
Grande Dame(グランドデイム)
1962年生まれ、吉田町出身。地元の高校を卒業した後、都内のホテルニューオータニに料理人として就職。5年間勤めた後、静岡に戻り、日本平ホテル、中島屋グランドホテル、掛川グランドホテルを経て、オークラアクトシティホテル浜松の「スカイレストラン パガニーニ」にて11年間料理長を務める。宴会、婚礼、レストラン等でフレンチの腕をふるう。2022年6月、「カジュアルフレンチレストラン Grande Dame」の料理長に就任。
御前崎カワモリ工房の一黒シャモのデクリネゾン
桑高農園野菜と浜名湖伸東ヒラメのサラダ仕立て
ステンドグラスが美しく、教会のような雰囲気のレストラン