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【令和元年度ふじのくにマエストロシェフ称号受賞者のご紹介】古𣘺 義德さん
古𣘺さんが介護食と出合ったのは、自治体の依頼で料理慰問として介護の世界を見た時だ。「色や味が何もなく、食品としての栄養素は足りているが、料理の要素に欠けているのでは」と感じたという。以来研究を重ねて完成したのは、目にも美しい料理としての介護食。皿に盛られた料理は、素材も味つけも通常食と変わらない鮮やかさと美味しさを併せ持つ。ただし、手間ひまは通常食の数倍を要し、例えばコロッケは、衣をつけて揚げた後、ミキサーにかけゼリーで固める。これによってコロッケのホクホク感が出るという。そうした探究心と創意工夫の末にオープンさせたのが「ふれあいレストラン 食楽工房」だ。今でこそ、介護食バージョンはプラス550円(税込)の価格設定になっているが、数年前までは同価格だったところに、古𣘺さんの心意気を感じる。その味と優しさに惹かれ、連日ファンが日本中から訪れる。同店では咀嚼や胃ろうなどにも個別に対応する。なお、介護食のフランス料理は日本で初めて同店が提供。そこには「料理を通じて多くの人の幸せな笑顔に出会いたい」という古𣘺さんの願いが込められている。まさに身体に優しい幸せ料理だ。
静岡食材を使った人気メニュー
店で使う料理の野菜のほとんどは市内の契約農家と直接取引
テイクアウトも可能
和牛のヒレステーキ重サラダ付き2,700円
カツカレーサラダ付き1080円
お子様セット950円
この店で使っている静岡食材
契約農家25軒より、タマネギ、セロリ、マスクメロン、レッドキャベツ、ハーブ、ブロッコリー、しめじ、にんじん、チンゲン菜、馬鈴薯、ミニトマトなど(浜松市)、浜名湖で水揚げされた魚介類

仕事人
古𣘺 義德
ふれあいレストラン 食楽工房
浜松市内のレストランに勤務していた20代後半より、介護食に係わる。以来ホテルの総料理長などを経て、57歳で自分の理想とする店「ふれあいレストラン 食楽工房」を開業。日本各地から多くのファンを集める傍ら、病院や施設での料理指導や学校での料理教室などを精力的にこなす。日本各地から届く介護食調理法の質問などにも、惜しむことなくノウハウを伝授。どんな人でも不自由なく過ごせるユニバーサルデザインの啓蒙活動にも尽力し、若い世代へ食育の大切さも説く。2012年「ふじのくに食の都づくり仕事人」に選ばれて以降、特に優れた仕事人を選出する「The 仕事人 of the year」を5回受賞。令和元年度に「ふじのくにマエストロシェフ」の称号が授与された。
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県内産の牛肉などを6日間煮込み、素材のうま味を引き出した、古橋さんの自慢の一皿「とろとろビーフシチュー」は単品で1760円。※介護食バージョンは各550円増

浜名湖産の魚介を使ったカニクリームコロッケを中心に、浜松市の契約農家から直接仕入れる野菜も豊富「ランチAコースの日替わり魚料理」。コース全体で1980円。

車イスや介護ベッドでも入店可。テーブル間も広くとっている。トイレはオストメイト対応。店内にはUDの精神が根付いている。