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【The 仕事人 of the year 2020の受賞者のご紹介】内田 祥三さん
メイン写真はムーラン特製「静岡美味鶏の辛味ソース」。地元の食材だけでこしらえた一皿で、磐田特産の鶏肉だけでなく、つけあわせのほとんどに浜松野菜が息づいている。中にはコリンキー、アスパラ菜など耳慣れない野菜も。「新しいもの、珍しいものは料理の華になるから」とオーナーシェフの内田祥三さんは胸を張る。同店のメニューには、この他にも浜名湖産の牡蠣や大鰻をフューチャーした料理を始め、地場の恵みを取り入れた逸品がずらり。看板メニューの麻婆豆腐やサラダにも、お膝元の種類豊富な食材がふんだんに使われている。「浜松三ツ星会」の会長も務めている内田さん。この会には和洋中のジャンルを超えた料理人と生産農家、併せて20名程が名を連ねる。「農家さんは丹精した農作物を料理人に知らせる術を持ちませんし、私たち料理人にしてもスマホではリアルな食材を実見し、手に取ることはできません」と内田さん。そして生産の苦労話を聞くことに勝る勉強はないという。さらに、料理人同士の交流は各自に新たな気づきをもたらす。これまでない発想やヒントが生まれ、新しいメニュー作りにつながる。メイン写真の料理に華を添えているコリンキーやアスパラ菜にしても、三ツ星会の活動を通して手にした成果の一つに他ならない。内田さんは浜松市内の小中学校へ出向き、食育にまつわる講演、実演も精力的に行っている。「料理人とは」という話から始め、子どもたちの興味を喚起し、「野菜をもっと食べよう」「野菜を最初に食べよう」「それも地場の野菜を」と呼びかけ、その理由まで説く。こうした店外活動は、料理同様、内田さんの信念「食べる楽しみ 喜び 驚き 感動!」が原動力だ。「人」を「良」くすると書いて「食」という字になる。それには「華のある食」を提供し、感動してもらうことだと熱く語る。だからこそ「新しい何か」を常に追いかける。店名の肩書きを「新中国料理」としているゆえんである。静岡食材を使った人気メニュー静岡美味鶏の辛味ソース、浜名湖産牡蠣を使った牡蠣と青菜の牡蠣ソース炒め、鶏肉と青菜の炒めもの、本格四川の辛い!麻婆豆腐、ムーランサラダ などこの店で使っている静岡食材豚肉(静岡県)、和牛(静岡県)、静岡美味鶏(磐田市)、トマト(磐田市)、レタス(浜松市西区)、チンゲン菜(浜松市西区)、豆腐(浜松市西区) など

仕事人
内田 祥三
新中国料理ム-ラン
浜松市出身。調理師学校卒。19歳から約1年間、インドや東南アジアを旅して回り、各国の中華街で本場の味に出会ったことが中国料理の道へ進んだきっかけ。帰国後、地元浜松の中国料理店で修業後、同市内に自分の店を持ち、スパイスと地場野菜を生かした薫り高い中国料理を提供している。県や市の食イベントなどに率先して参加している他、コロナ対策にもいち早く対応。
2011年 静岡県の「ふじのくに食の都づくり仕事人」認定
2011年 日本中国料理協会「功労賞」受賞
2012年 フランス食品振興会主催のボルドーワインセミナーにて「最優秀店」を受賞
2013年 第6回地産地消メニューコンテストで「関東局長賞」受賞
2018年 「浜松三ツ星会」会長に就任
2018年 「専門調理師 調理技能士」資格取得
2017・2018・2020年 静岡県「ふじのくに食の都づくり仕事人of the year」受賞

この日は「浜松三ツ星会」の勉強会を鷲津の漁業協同組合で。浜名湖で水揚げされる魚介類について「活きた情報」を入手し、水産業者との交流も深めた。近年は、浜松市の有名酒蔵や静岡市の米麹の老舗などにも会のメンバーたちと足を運んだ。