トピックス

【令和3年度仕事人受賞者のご紹介】久保寺 陽子さん

 

絵が得意なわけではない。特に好きだったわけでもない。にもかかわらず、久保寺陽子さんは「くぼぢ食堂」を切り盛りする絵本料理作家である。「くぼぢ」は中高生時代のニックネーム。「子どもたちが覚えやすく」と店名にも作家名にも使っている。

名古屋のイタリア料理店で修業していた久保寺さんは、結婚して第一子を身ごもり、いったん一線を退いた。静岡に戻り、育児と家事に明け暮れていたとき、レシピを絵本にしたらどうかと思い立ち、絵本料理教室を自宅で始めた。集まった親子に自作の絵本を読み聞かせ、そのレシピに基づいて、みんなで料理を作って楽しむ。絵の描き方はイラストの本を何冊か購入し、見様見真似で独学した。

教室は着実にファンを増やし、依頼も舞い込み始める。近所の児童館や幼稚園、地元のスーパー店内やエネルギー会社のショールーム、県の子育てイベントでも教室を開いた。大手食品会社からタイアップを持ち込まれたこともある。そして子離れを機に、自分の店を沼津に持ち、さらに静岡のけやき通りにテイクアウト専門店を開店。2020年には現在地の同市鷹匠に移転し、まるで絵本から飛び出たようなイートイン中心の店を構えている。

「料理が好き! 美味しいものはみんなを楽しい気持ちにするから」と久保寺さん。その「好き!」が絵を描くエネルギーとなり、彼女を絵本料理作家にした。「念願の店まで持たせてくれた」と笑う。そんな久保寺さんの料理のこだわりは旬の県産食材を使うこと。それも普段使いの身近な材料で、見た目も映える美味しいご馳走を作り、リーズナブルに提供することである。「美味しいをもっと楽しく」というコンセプトは店でも教室でも変わらない。オーナーシェフとして、絵本料理作家として、そして2人のお子さんのママとして、久保寺さんは今日も「みんなが楽しくなるレシピ」を考えている。 

 

静岡食材を使った人気メニュー

DELI盛り合わせプレート、焼きチーズプディング、静岡県産フルーツシロップ付き くぼぢ謹製かき氷(夏)、自家製シロップのフルーツジュース など

 

この店で使っている静岡食材

しらす、人参、キャベツ、蕪、レモン、ブロッコリー、カリフラワー、筍、苺、いちじく、梅、豆腐、牛乳、卵、静岡和紅茶 など

仕事人

久保寺 陽子

洋風料理屋 くぼぢ食堂

洋風料理屋「くぼぢ食堂」オーナーシェフ。富士市出身。名古屋の大学を卒業後、同市内の調理師専門学校に入り直し、イタリアンの店で約2年間修業を積む。出産のため店を辞して静岡に戻り、子育ての傍ら、子どもと一緒に楽しめる絵本料理教室を自宅でスタート。児童館、幼稚園、しずてつストア、静岡ガスショールーム、静岡県子育てイベントの会場などでも教室を開催。その後、店を沼津に出し、2017年静岡セノバ近くの好立地を得てテイクアウト専門店をオープン。2020年現在地に移転してイートイン営業も開始。イタリアンベースの無添加洋風総菜を中心に「ブランドにこだわらない地産地消」を心がけ、おうちでは作れない手間暇かけたプロの味を手の届く値段で提供。自らアニメを手がけたYou Tube「くぼぢの流儀」を店のFace Bookにアップしている。

> 仕事人の紹介ページはこちら

マジック、アクリル絵の具、色鉛筆など画材もいろいろ試しながら、自分の絵のスタイルを確立。レシピやコツの紹介にとどまらず、絵本としても面白くなるよう工夫している。

紙芝居風の絵本を教材に使い、その絵本に出てきた料理を実際に作って会食。持ち帰り用に、レシピをまとめたミニ絵本も渡す。料理が苦手な大人向けの教室も開いている。

このページについてご意見・
ご要望などお気軽にどうぞ

フォームから送信する

回答の有無/

SNSでシェアする