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【令和3年度仕事人受賞者のご紹介】海野 剛靖さん
週末には行列ができるほど賑わっている「とんかつうんの」。静岡市内の常連のみならず、遠く東京・名古屋方面からも多くの人が押し寄せる。価格がリーズナブル、東名スマートICから1分という立地という要因もあるが、それだけではない。
店主の海野修也さんは、とんかつを揚げた油を惜しげもなく替える。繁忙日などは2時間おきに1日4回も替えるという。廃油を引き取る業者さんに「まだまだ使えるんじゃないですか」と驚かれるほどだ。「お客様の胃にもたれないのなら、もったいないとは思いません」と海野さん。
一方で海野さんは、端材肉100%の「手づくり大粒肉しゅうまい」を考案した。「肉のロスがなくなれば儲けなしでいい」とメニューに載せたところ、想像以上の人気を博した。「SDGs対応メニューです」と海野さんは胸を張る。
食材へのこだわりも見逃せない。メイン食材の豚肉は、動物性飼料を排除し、穀物主体の専用飼料で肥育した「袋井産麦豚」。鶏肉は県産銘柄鶏の「ふじのくにいきいきどり」。卵は完全無農薬飼料で育てて産ませた「神谷さんちの卵」を使う。店の近隣・大谷地区から仕入れるこの卵は、新鮮な産み立てを2日間で使い切る。
従業員が楽しく働ける環境づくりにも心を配っている海野さん。笑顔と歓声が飛び交う店内は、人々の活気が満ちている。その快活な雰囲気もまた海野さん原動力になっているようだ。「とんかつうんの」の賑わいは、先代から店を受け継いで30数年に及ぶ「誠実で丁寧な仕事」の証だ。
食材を使った人気メニュー
とんかつセット(ランチ)、とんかつ膳(グランドメニュー)、チキンかつセット(ランチ)、チキンかつ膳(グランドメニュー)、ふわとろ親子丼 など
この店で使っている静岡食材
袋井産麦豚のロース肉(静岡型銘柄豚)、ふじのくにいきいきどり(静岡県産銘柄鶏)、神谷さんちの卵(静岡市駿河区大谷)、静岡緑茶(掛川市) など
仕事人
海野 剛靖
とんかつうんの
昭和51年創業の「とんかつうんの」二代目店主。静岡市出身。新宿調理師専門学校卒業後、実家である駿河区高松のとんかつ店で働く。その後、店舗は2度移転し、現在地に新店を構えて現在に至る。店内を常に清潔にするとともに消費者目線でリーズナブルな価格を維持。生パン粉や国産米の使用など、味と品質へのこだわりを守り続けている。また、店でできるSDGsの取り組みとして豚肉の端材を使ったしゅうまい作りを実践。地元中学生の職場体験の受け入れ、地元大学生アルバイターへのまかない食の提供ほか、避難可店、パトロール、子ども見守りなどの地域貢献にも積極的。
> 仕事人の紹介ページはこちら40年近く交流を続けている近隣養鶏場の卵と静岡県産銘柄鶏「ふじのくにいきいきどり」を使った「ふわとろたまご丼」。
神谷養鶏場(静岡市駿河区大谷)との交流は長い。この他、浜名湖の牡蠣むき作業、藤枝トマト農家なども料理のヒントを探しに見学している。