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【The 仕事人 of the year 2021の受賞者のご紹介】堤 浩二さん

どんな料理も日本の食材を使う時点で和風である。この事実を前向きに捉え、さらに一歩踏み込むのが「杜のふう」の和風フレンチ。和の器とお箸で食べるスタイルで、コースには味噌汁が付き、「御前崎つゆひかり」というお茶が出る。料理長の堤浩二さんはフランス料理をベースに日本料理、中国料理、フレンチの影響が色濃いベトナム料理も身につけ、それらを合わせて自由に料理している。

「ジャンルにはこだわらないが、食材にはこだわります」と語るように地元の食材を多用する。地の野菜は必然的に採れたてであり、その新鮮さが美味しさにつながる。また、馴染み深い食材の新たな魅力を伝えることにも努めている。「三方原じゃがいも」も意外な調理で小さな驚きが演出でき、地元客への格別なもてなしになる。

「大きな店ではやらない仕事も、うちのような店ならできる」と堤さん。メイン写真の一皿は「三方原舞茸」の自家製パウダーが隠し味。目の前にアツアツが出された瞬間、茸の香りがふわっと立つ。そのアクセントが「赤富士サーモン」を包むパイの口当たりを引き立てる。地元産の果物類も店先の天日に干し、パウダーをこしらえて料理に使う。パウダー作りはフレンチの本場では当たり前だが、効率を追求すると掛けづらい手間だろう。

店頭販売の人気アイテムに「三ヶ日みかん」の自家製ジャムバターがある。作り方を教えてほしいと近隣JAの婦人部から依頼を受け、教室を開いている。毎回20名ほどに自ら工夫したレシピのすべてを惜しまず教えていると言う。浜松市内の小学生を対象とした「味覚の授業」では、香料を使った食品を鼻をつまんで食べてもらう。すると味まで消えてしまう。添加物に惑わされないという食育に他ならない。

県産食材を使うだけにとどまらず、それらに手間をかけることが堤さんの料理をひときわ美味しくする。「やり切った達成感を手にしたいだけ」と静かに語る堤さん。自身のささやかな喜びの追求が、訪れる人々を幸福にしている。

 

静岡食材を使った人気メニュー

   浜名湖カキのブルギニヨン、静岡県産和牛ホホ肉の煮込み、浜松市産新玉ネギのオニオングラタンスープ(1~2月) など

 

この店で使っている静岡食材

黒毛和牛・交雑牛(静岡県)、袋井いきいきポーク(袋井市)、赤富士サーモン(富士宮市)、浜名湖カキ・浜名湖青海苔・もずく蟹・鰻(浜名湖)、鯖(浜名湖・浜松市舞阪)、三方原じゃがいも・三方原舞茸・三方原ヒマラヤ平茸・里芋・ごぼう・青梗菜・玉ねぎ・トマト・三ヶ日みかん(浜松市)、静岡米(静岡県)、御前崎つゆひかり(御前崎市) など

仕事人

堤 浩二

杜のふう

「杜のふう」料理長。神奈川県に生まれ、3歳より浜松市の三方原で育つ。調理師学校卒業後、都内で16年間修業。東京のニューオータニなどを経て大和実業の会員制エスカイヤクラブで研鑽を積む。フレンチをベースに和洋中のシェフに鍛えられ、ジャンルの垣根を越えた仕事を身につけたことが今に生かされている。その後、浜松市内のフレンチベトナミーズレストランの料理長を6年間務め、2007年「杜のふう」オープンから料理長に就任。地元食材への誇りと愛着を胸に秘め、「自然の中で体にやさしい料理」がモットー。2010年「ふじのくに食の都づくり仕事人」の表彰を受ける。

> 仕事人の紹介ページはこちら

地元小学生を対象とした「味覚の授業」では、和食の基本である五味(甘い・塩辛い・酸っぱい・苦い・辛い)を実際に味わってもらう体験型学習を取り入れている。

「赤富士サーモンのパイ包み 三方原ヒマラヤ平茸と浜名湖青海苔のクリームソース」。富士の湧水で育てられたプレミアムブランドの虹鱒料理。パイ皮のパリッとした食感と「三方原舞茸」のパウダーの風味が相まって主役のサーモンを引き立てる。

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