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令和4年度ふじのくに食の都づくり仕事人受賞者のご紹介「杉山 大地さん」
「Bar大代園」は静岡でも数少ないオーセンティックバーである。スタンダードカクテルが基本だが、異彩を放っているのが静岡県産フルーツの旬のカクテル。掛川市苺屋山崎の「ももかベリー」で静岡苺のカクテルを、同市石山農園のフルーツトマトでブラッディメアリーをこしらえ、静岡市有東木の本山葵はデザートカクテルに仕立てて出している。どれも必要以上に手をかけず、素材の良さがシンプルに味わえるカクテルらしいカクテルだ。若い頃に出合った一杯のフルーツカクテルがこの道へ進むきっかけになったと言うだけあって、こだわりがうかがえる。マティーニには日本平のクレアファームで産するオリーブを使用。その一粒はフレッシュならではの香りが際立ち、違いが出にくいマティーニに確かな彩りを与えている。
島田市金谷で生まれ育った杉山大地さん。中学時代の同級生にカネロク松本園の社長がいる。同社が開発し、海外にも名を馳せている燻製紅茶でつくる生チョコレートは、大代園とっておきのおつまみだ。
杉山さんの実家も曾祖父が茶の商いをしていた。その屋号「大代園」を自店の名前に据えた。店を構えてから自身も茶道の研鑽に努めている。「茶道が文化であるように、Barも一つの文化。いつかBarという特殊な文化を、この地に定着させたい。それが人生の目標であり、自らに課した使命。ですから地元の幸をカクテルに取り入れるのは当然のこと。職業は生き方だと思いますから」と杉山さんは語る。その思いが一杯のカクテルに鮮烈な命を吹き込む。
静岡食材を使った人気メニュー
静岡市・日本平クレアファームのフレッシュオリーブを使ったマティーニ、
掛川市・苺屋山崎の静岡苺のカクテル、
掛川市・石山農園のトマトを使ったブラッディメアリー、
静岡市有東木の本山葵のデザートカクテル、
島田市・燻製紅茶の生チョコレート、など
この店で使っている静岡食材
フレッシュオリーブ(静岡市)、章姫・紅ほっぺ・ももかベリー(掛川市ほか)、フルーツトマト (掛川市)、有東木の本山葵(静岡市)、燻製紅茶の生チョコレート(島田市) など

仕事人
杉山 大地
Bar大代園
島田市金谷出身。埼玉川越のビアバー「Beer Sauras」で酒の世界の扉を叩き、東京銀座の「Bar三石」で本格的な修行を積んだ。自分の店を開く目標を静岡市の中心街で実現。曾祖父が「大代園」の屋号で茶の生産・販売をしていたことから、この店名に。オーナーバーテンダーの仕事の傍ら、茶道なども始め、日本の季のもてなし、わびさびへの造詣を深めることに余念がない。

静岡苺のカクテル

杉山さんのマティーニ

燻製紅茶の生チョコレート