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The 仕事人 of the year 2022 受賞者のご紹介「田中 祐子さん」
料理で喜んでいただくこと。そして笑顔で帰っていただくこと。このことに尽きると、おんふらんすの田中裕子さんは満面の笑顔で答える。
「美味しい健康食」を世の中に広める、経産省採択の新しいムーブメント・メディシェフ。その資格を2021年に取得した田中さんは「美味しい栄養補給デザート」に挑戦した。鮪から抽出したアンセリンという成分に着目。三島のサツマイモや沼津西浦みかんでつくった羊羹に配合して商品化。これを伊豆のサイクリングコースの休憩スポットに提供した。いつも笑顔を絶やさないことと前向きの行動力が田中さんの持ち味。
彼女の行動力は、野菜の生産農家との交流にも。野菜農家は家族経営のところが多く、担い手の大半はシニア層。芽引き、収穫などに手が足りないと耳にするとお手伝いに駆け付ける。「店でいっぱい使わせていただいている三島野菜への恩返しのような気持ちで」と田中さん。農家の人と一緒に汗を流していると「いい話」が聞けるという。例えば、通常は捨ててしまう、ほうれん草の根っこ。これを素揚げにするとゴボウのような食感で滋味溢れるご馳走になる。早速、自分の肉料理のつけあわせに取り入れたのは言うまでもない。いわゆる「はじかれ野菜」の知られざる活用法の一つだ。食品ロスを減らすことにつながる「小さなSDGs」と言ってもいいのではないだろうか。
地元生産農家との関わりが増えると、料理人としての自分に実践的な知識が増える。それが、お客さんの笑顔を増やす優しい武器になることを田中さんは疑わない。
静岡食材を使った人気メニュー
箱根西麓三島野菜を使ったランチコース、本日の駿河湾水揚げのお魚ランチ、腸活 自分へのご褒美プレート(女性限定ランチ) など
この店で使っている静岡食材
箱根西麓三島野菜(三島市)、富士山サーモン(富士宮市)、三島ブランド卵「けさたま」(三島市)、杉正農園の小松菜・甘とろネギ・菊芋、あやめカブなど(三島市)、魚介類(沼津市)、箱根山麓豚(三島市) など

仕事人
田中 祐子
ハートフルダイニング おんふらんす
沼津市出身。海上技術学校で調理師資格を取得。卒業後、沼津市内のホテルに調理部門初の女性社員として入社し、デザートや婚礼料理を手がける。さらに医療機関の調理担当として産後の特別食を開発。その後フレンチレストランでウエディングメニューを担当しながらパティシエの勉強に努めた。2007年おんふらんすに入り、移転前の芝本町店で店長に昇格。店舗移転後も研鑽を積み、食育2級、メディシェフなどの資格を取得。野菜の苦手な子どもがお母さんと一緒に学ぶ料理教室開催。現在ランチタイム担当としてオーナーシェフのご主人と二人三脚で店を切り盛りしている。米粉FOODコンテスト金賞受賞。2011年ふじのくに食の都づくり仕事人。2022年The仕事人of the yearの表彰を受ける。
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カモ肉のコンフィ

富士山サーモンのポワレ

三島野菜の盛り合わせ(七種)
三島人参の収穫をお手伝いする田中さん